安倍晋三元首相(67)が奈良市での参院選の演説中に銃撃されて死亡した事件で、奈良地検は殺人容疑で送検された無職、山上徹也容疑者(41)の刑事責任能力の有無を調べるため、近く鑑定留置を請求する見通しだ。母親が信仰する旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)への恨みから安倍氏殺害を狙ったという動機には論理の飛躍がみられる一方、計画性の高さもうかがえる。事件から22日で2週間。専門家は容疑者の刑事責任能力をどうみるのか。 鑑定留置は、容疑者や被告の事件当時の刑事責任能力の有無などを調べるため、病院などに留置する刑事訴訟法上の手続きだ。検察側が起訴前に裁判所に請求するほか、起訴後に裁判所が弁護側の請求や自らの職権で鑑定するケースがある。鑑定留置が始まると、精神科医が数カ月に及ぶ鑑定を実施。善悪を判断する能力などを失った「心神喪失」や、その能力が減退した「心神耗弱」と判断されると、刑事責任を問えず不起