昨年3月の福島第1原発事故以来、原発は徐々に停止され、今年5月5日には全原発が止まった。そして電力需要がピークを迎える真夏を前に、7月1日に大飯原発3号機が、18日には4号機が政府の決定の下で再稼働した。 ≪事故か停止か「究極の選択」≫ 再稼働は、首相官邸周辺の抗議デモを引き起こし、大飯3号機再稼働の直前に行われた産経新聞とFNNの合同世論調査で大飯再稼働の反対は50・5%に達している。その一方、同じ世論調査で、「電力不足なら安全が確認された原発は再稼働させてもよいと思う」とする回答が52・7%と過半数を占めている。つまり世論は今、再稼働への賛否が大きく割れる格好となっているのである。 再稼働「反対派」は概(おおむ)ねこう主張する。「原発が今の文明を支えているのは分かっているが、あの福島を見ろ。大飯原発だって事故のリスクからは逃れられない。原発に事故は付きもので、我々はその事実を受け止めな