平成25年度予算案が衆院を通過した。5月半ばまでの成立を確実にした安倍晋三首相が次になすべきは、医療、年金などを持続可能とする社会保障制度改革だ。 社会保障費の抑制は、国民に新たな負担を求める苦い薬である。だからといって、結論を参院選後に先送りする姿勢では、国民が抱く将来への不安を解消することはできない。 重要なことは、経済成長を実現し、諸制度の改革を通じて「強い日本」への道筋をつけることだ。そのことが、結局は財政への信認回復にもつながる。 消費税増税を含む社会保障と税の一体改革を進めた自民、公明、民主の3党間ですら、具体的な制度改革の議論は進んでいない。社会保障費の抑制は消費税増税の前提だったはずだ。 3党合意で設けられた社会保障制度改革国民会議は、財界や労組、自治体などからの意見聴取を重ねている。だが、作業は遅れ気味だ。設置期限とされる8月21日までに明確な結論を出せるのかどうかは疑問