競争率40倍という人気シェア型書店「PASSAGE」を運営する由井緑郎。広告会社やリクルートで培った事業構想力やテクノロジーへの知見を生かし、シェア型書店というビジネスモデルを広めようとしている 深刻な出版不況に突入した2000年代。ジャーナリストの故・佐野眞一は、2001年に刊行した『だれが「本」を殺すのか』(プレジデント社)で出版不況の構造的な問題について言及した。その後も、本を巡る状況は厳しくなる一方だ。それでもさまざまな形で本を届けようとする動きは生まれている。今回取材したのは、日本屈指の「本の街」でひときわ注目されている「シェア型書店」。どんなきっかけで誕生し、どのように運営されているのだろうか。(本文は敬称略) (浜田 敬子:ジャーナリスト) 【本連載を初回から読む】 ◎書店業界と決別した風雲児が15年ぶりに復帰、開店した「シェア型本屋」とは 誰もが「売り手」になれるシェア型書