明治末期に〝発見〟され大日本帝国に公式に編入された中ノ鳥島、一攫千金を夢見る冒険商人たちが相次ぎ探検の船を出したグランパス島…。19世紀後半から20世紀初頭、地図上に確かに存在した日本列島南方海域の島々。やがて実在しないことが判明するこれらまぼろしの島々の、〝誕生〟から〝消滅〟までの複雑に錯綜するミステリーを解きほぐす。 ★長谷川亮一先生のホームページ「望夢楼」へ まぼろしの島々への招待―プロローグ/疑存島とはなにか(北太平洋のまぼろしの島々/海図と疑存島/日本近海の疑存島)/ヨーロッパ人と北太平洋(スペイン人と北太平洋/「無人嶋」と小笠原島/イキマ島の“誕生”/イギリス人と北太平洋/グランパス島とヌートカ湾危機/マッコウクジラとグアノ)以下細目略/「南進」の夢想と現実/孤島をめぐる争い/中ノ鳥島の謎/疑存島の“消滅”とその後)/“山師”たちの夢のあと―エピローグ