どこまでも続く地平線、平原で草を食む牛、のどかに回る風車、咲き乱れるチューリップ・・・。万人が持つオランダのイメージというと、このような感じになるのではないか。 風車とチューリップのイメージを覆す港湾都市、ロッテルダム この国を訪れる旅行客の多くは、首都アムステルダムを見聞し、市郊外へ足を伸ばし、抱いていたイメージどおりのオランダを体験できた、と満足げだ。彼らの中には、16世紀の建築物が並び立つアムステルダムを、「アンティークのような古都」と表現する人もいる。 しかし、オランダ第2の都市・ロッテルダムを訪れると、彼らはアムステルダムとの差に唖然とする。 確かにロッテルダムは、アムステルダムとは異なる様相の街である。高層ビルや斬新なデザインの建物がマース河沿いにそびえ立つその様子は、「マース河のマンハッタン」とも称されることもうなずける。 ロッテルダムは第2次世界大戦中にドイツ軍から攻撃を受