我闘雲舞でメインイベントが終わって「一番好きな人」の曲がかかると、いつもなんだか泣きそうになる。「今日もそろそろーお別れの時間」で始まる曲に乗せて、胸に大きく名前を書いた色とりどりのTシャツを着た選手たちが、所属もゲスト選手も関係なく入り交じりながら観客席を歩いてハイタッチをする。時々記者席にも来てくれると恥ずかしいけど嬉しくて、みんな、ファンの人たちはいつもこんなに暖かい気持ちになるんだなと実感する。 我闘雲舞はさくらえみ選手が作った、ちいさいけれどカラフルでユニークでワールドワイドな楽園なのだと私は思っていた。でも、我闘雲舞が初めて新木場大会を開催した10年以上前、その大会が素晴らしくて「さくらさんはまた新しい小さな楽園を作ったんですね」と感動して話しかけたら「いや、小さいのはダメなんです。もっと大きくしてたくさんの人に届けないといけない」と即座に否定されて、自分の浅はかさを恥じたこと