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art-itに関するnabinnoのブックマーク (178)

  • 椹木野衣 美術と時評87:表現の不自由・それ以前 –– 小早川秋聲、山下菊二、大浦信行の<2019年>をめぐって - ART iT(アートイット)

    マガジン > 連載 > 椹木野衣 > 椹木野衣 美術と時評87:表現の不自由・それ以前 –– 小早川秋聲、山下菊二、大浦信行の<2019年>をめぐって 連載目次 小早川秋聲「國之楯」1944年 紙着色 京都霊山護国神社蔵(日南町美術館寄託) この夏の終わりに東京の京橋から日橋にかけて開かれた二つの個展を見て歩くのは、複雑な感嘆と深い失意を伴うものだった。会場はいずれも美術館ではなく画廊で、ひとつは加島美術で開かれた小早川秋聲の非常に珍しいまとまった規模の展覧会だ。生前に画商を通さなかったらしく、小早川の絵を見る機会は今でもたいへん限られており、個展となると関東圏では初めてのことだという。しかも今回の展示は、戦時中に描かれた小早川の代表作「國之楯」(1944年)を中心に据えている。この絵はもと陸軍からの委嘱で描かれたが、当時の軍部には日人兵士の戦死者を描いてはならないという不文律があり

    椹木野衣 美術と時評87:表現の不自由・それ以前 –– 小早川秋聲、山下菊二、大浦信行の<2019年>をめぐって - ART iT(アートイット)
  • 「原美術館」(東京都品川区)2020年12月閉館ならびに 「ハラ ミュージアム アーク」(群馬県渋川市) 館名変更のお知らせ - ART iT(アートイット)

    パートナーブース > 美術館 > 原美術館ARC > 「原美術館」(東京都品川区)2020年12月閉館ならびに 「ハラ ミュージアム アーク」(群馬県渋川市) 館名変更のお知らせ 公益財団法人アルカンシエール美術財団は、1979年に「原美術館」を東京都品川区に、1988年に「ハラ ミュージアム アーク」を群馬県渋川市に設立し、この二つの美術館を拠点(いずれも博物館法の定めによる「登録博物館」)として、現代美術の振興と国際交流につとめてまいりました。 このたび、当財団では、来る2020年12月末をもって「原美術館」を閉館し、また2021年からは、「ハラ ミュージアム アーク」の館名を「原美術館ARC(アーク)」と改め、「原美術館ARC」を唯一無二の拠点として、引き続き活動していくことにいたしました。 原美術館の施設は、理事長・原俊夫の祖父である実業家・原邦造の邸宅として1938年に竣工したも

  • ニッポン国デザイン村:11 - ART iT(アートイット)

    おかんアートという時限爆弾 メインストリームのファインアートから離れた「極北」で息づくのがアウトサイダー・アートであるとすれば、もうひとつ、もしかしたら正反対の「極南」で優しく育まれているアートフォームがある。それが「おかんアート」。その名のとおり、「おかあさんがつくるアート」のことだ。なにそれ?と思うひともいるだろうが、たとえば久しぶりに実家に帰ると、いつのまにか増えている「軍手のうさぎ」とか、スナックのカウンターにある「タバコの空き箱でつくった傘」とか、あるでしょ。ああいうやつです。 どこにでもあって、だれからもリスペクトされることなく、作者人もアートとはまったく思わず、売ったり買ったりもできず、しかしもらえることはよくあり、しかももらってもあまりうれしくない——そういうのが「おかんアート」の真髄だ。 近年、アウトサイダー・アートのほうはアートワールドの中でも地位を固めつつある。言い

  • 58:再説・「爆心地」の芸術(25)第五福竜丸から今へ (1) - ART iT(アートイット)

    連載目次 第五福竜丸展示館 開館40周年レセプションより(安部公房作品を元にした小劇) 写真提供:公益財団法人第五福竜丸平和協会 去る5月29日、神田の学士会館で開かれた東京都立第五福竜丸展示館、開館40周年レセプションに足を運んだ(*1)。会場はたいへんな盛況で、円卓の随所に、長く数奇な運命を辿ってきたこの船をめぐる歴史的な証言者と呼びうる顔ぶれが見かけられた。その中には、事件から約2ヶ月後の5月、事故と被曝の実態解明のため、有志の各分野科学者たちによる急ごしらえの調査船、俊鶻丸(しゅんこつまる)に乗り組み、ビキニ海域現地で「死の灰」の採取と分析に当たった岡野眞治(*2)の顔も見えた。そう、今年は1976年6月10日にこの施設が江東区夢の島に開いてから40年という、大きな節目を迎える年にあたっているのだ。 上:第五福竜丸展示館 下:館内の第五福竜丸船体 写真提供:公益財団法人第五福竜丸平

  • 59:再説・「爆心地」の芸術(26)第五福竜丸から今へ (2) - ART iT(アートイット)

    連載目次 第五福竜丸の乗組員だった久保山愛吉の死とその遺された言葉について初めて知ったのは、私がまだ高校生の頃にまで遡る。しかしそれは、よくある歴史学習からではなく、ある音楽家による演奏を通じてのことだった。ターンテーブルに乗せたレコードに針を落とすと、野外での実況録音に特有の抑えられたざわめきのなか、その曲は始まった。「アイキッヒ、クボヤーマ」と流れ始めたその声は、久保山愛吉についてこう発音していた。あたかも、光の届かない深い海の底から、この声をゆっくりゆっくりと水面へと浮上させるかのような「始まり」だった。 「墓碑銘 BOHIMEI」と名付けられたこの曲は、二のギターとセロ(ベース)、サックスとドラムスからなる五重奏団(クインテット)によるもので、彼らは無調のまま即興で、なにか抑制された怒りのようなアンサンブルを、寄せては返す波のように、その声のうえに乗せていった。無調といっても、い

  • https://www.art-it.asia/u/rvbzfh/PvTw2Q9ph5l0Sai1BFH3

  • 連載 田中功起 質問する 13-4:菅原伸也さんから2 - ART iT(アートイット)

    第13回(ゲスト:菅原伸也)――現在の日で共同体を再考することについて 菅原伸也さんとの往復書簡。菅原さんの第二信は、普遍性や個別性のみに依らない共同体の可能性を示唆し、その視点から田中さんの水戸の個展を考えます。 往復書簡 田中功起 目次 件名:共同体と社会 田中功起さま ご返信ありがとうございます。 前回田中さんが冒頭で触れていたように、イギリスは国民投票の結果EUから離脱することが決定しました。それを受けて、残留派であったデービッド・キャメロンは辞任し、テリーザ・メイが新しい首相に就任しました。メイ新首相はイギリス史上二人目の女性首相となりましたが、もちろん一人目はマーガレット・サッチャーであり、何かとサッチャーと比較されることも多いようです。 リバプール・ビエンナーレはどうやら拝見することができなさそうでとても残念なのですが、そこに出品されている田中さんの新作で扱われているYTS

  • ■-2017年1月9日[月・祝] 篠山紀信展 「快楽の館」[原美術館] - ART iT(アートイット)

    ●はじめに─「篠山紀信×原美術館=快楽の館」 原美術館では、1960年代から現在まで常に写真界の先頭を走り続けてきた篠山紀信の個展を開催いたします。美術館での篠山紀信展といえば、「篠山紀信 写真力」展が2012年以来全国各地の美術館を巡回中ですが、展はまったく異なるコンセプトにより、原美術館だけで開催するユニークな展覧会です。 展のテーマは、1938年完成の邸宅が元になった原美術館を、篠山紀信がカメラによって《快楽の館》に変貌させることにあります。出品作品はすべて撮り下ろしの新作で、33名にものぼるモデルを起用したヌード写真─しかも、1点残らずこの原美術館で撮ったものなのです。実在の空間と展示された写真の中の空間が交錯し、紡ぎだす恥美で幻惑的な世界をぜひご覧ください。 ●1 写真展としてはここが斬新 原美術館で個展を開催することになったとき、まず篠山紀信が提案したアイデアが「ここ(=原

  • 釜山ビエンナーレ2016 - ART iT(アートイット)

    2016年9月3日、「Hybridizing Earth, Discussing Multitude」をテーマに掲げる釜山ビエンナーレが開幕。釜山美術館とF1963を会場に11月30日まで開催される。 中国・浙江省温州市のHOW美術館館長のユン・チェガブがアーティスティックディレクターを務める今回のビエンナーレは、ふたつの展覧会(プロジェクト1、プロジェクト2)と多種多様なプログラム(プロジェクト3)で構成される。釜山美術館を会場とするプロジェクト1では「an/other avant-garde china-japan-korea」のテーマのもと、中国、日韓国における90年代以前の前衛を紹介。中国からグォ・シャオイェン[郭曉彦]、日から椹木野衣、建畠晢、上田雄三の3名、韓国からキム・チャンドンがそれぞれキュレーターとして参加する。一方、F1963を会場とするプロジェクト2では「Hyb

  • 東京・天王洲にTERRADA Art Complexがオープン - ART iT(アートイット)

    2016年9月10日、寺田倉庫のアート事業の一環として、東京・天王洲にTERRADA Art Complexがオープン。オープンに合わせて、ギャラリースペースに入居する児玉画廊、URANO(旧ARATANIURANO)、山現代、ユカ・ツルノ・ギャラリーの4つのギャラリーが同時に展覧会を開催する。 TERRADA Art Complexには、大型作品に対応可能な天井高5メートルのギャラリースペースのほか、美術品輸送会社「Helutrans-Terrada株式会社」の事務所、アーティストのためのアトリエスペース「T-Art KȎBȎ」が入居。上述した4つのギャラリーを誘致し、天王洲から芸術文化を発信していく。 児玉画廊は、白金と天王洲の2店舗体制となり、両スペースの特徴を活かして、さまざまなメディアの作品を紹介していく。新スペース最初の展覧会は、同画廊恒例の企画の第35弾として、『ignor

  • 新連載 編集長対談1:会田誠(前編) - ART iT(アートイット)

    的アートとは? 現代アートの起源は、いうまでもなく欧米にある。では、日などの非欧米圏において、現代アートの作品を作る、あるいは観るとはどういうことなのだろう。「日的アート」あるいは「非欧米的アート」はありうるか? ありうるとすれば、それはどのようなものなのか? アート界の内外からゲストを迎え、これらの難問について考えてみたい。 構成:編集部 協力:バンタンデザイン研究所 陣地を広げ続けていくことでしか延命できないところにアートは来ていて、保守的な意味でのアートの道は原理的にはもう滅んでいるんじゃないでしょうか。 小崎 会田さんの作品は「最後の無頼派」とかいろいろ言われていますが、ひとつの大きな特徴として「嘘くさいのは嫌だ」という態度が、ほとんどの作品の根底に流れているように思います。作品を観る度に『裸の王様』の子供や、ビートたけしの往年のギャグを思い出しますが、まず、どんな子供だ

  • 60:再説・「爆心地」の芸術(27)種差デコンタ2016(1) - ART iT(アートイット)

    連載目次 八戸市美術館「赤城修司+黒田喜夫——種差デコンタ2016」展示風景(会場1階) © ICANOF 写真提供: ICANOF(以降すべて) 8月の末、釜山ビエンナーレ2016のキュレーションのため滞在していた韓国から一時帰国し、息つく間もなく新幹線で青森、八戸へと向かった。八戸市美術館での展覧会「赤城修司+黒田喜夫——種差デコンタ2016」に関連し、初日より3日連続で開かれる「デコンタ・フォーラム」に招かれたためだ。「デコンタ」とはなにか。一般にコンタミネーション(contamination)は科学の実験や臨床医術などで生ずる有毒物質による汚染を意味し、「デ(de)」はこれを解・除する接頭語だから、私たちが通常の生活を送るかぎり、あまり縁のない、縁があってほしくない語であったと言えるだろう。 ところが福島原発事故以来、「デコンタミネーション」は、私たちにとって急速に身近な言葉となっ

  • 岡山芸術交流2016 - ART iT(アートイット)

    2016年10月9日、芸術を通じて国境や文化、世代を超えたさまざまな交流の創出を目指す国際芸術祭、岡山芸術交流2016が開幕する。 第1回目のアーティスティック・ディレクターに抜擢されたアーティストのリアム・ギリックは、多義的な意味を含む「開発(Development)」をテーマに掲げ、世界16カ国から31組のアーティストの作品を通じて、社会的、建築的、映画的、構造的な視点から「開発」についての疑問を提示していく。また、岡山市内の複数の展示会場をめぐる上で、岡山市と展示作品を眺める「カメラ」の役割を果たす観客と、鑑賞ツアーに参加し、グループとして機能する観客を想定した異なる2種類の順路が設定されている。 参加アーティストは、ギリックと同世代で90年代より第一線で活動してきたアンジェラ・ブロック、ドミニク・ゴンザレス=フォースター、ピエール・ユイグ、フィリップ・パレーノ、リクリット・ティラヴ

  • 連載 田中功起 質問する 13-6:菅原伸也さんから 3 - ART iT(アートイット)

    第13回(ゲスト:菅原伸也)――現在の日で共同体を再考することについて 菅原伸也さんとの往復書簡。締めくくりとなる菅原さんからの手紙は、共同体再考において「ケアの倫理」を掘り下げ、さらにアガンベンのイメージ論も援用して人間の差異/共通点を考えます。 往復書簡 田中功起 目次 件名:あたかも一のフィルムであるかのように 田中功起さま お返事ありがとうございます。 始まってみれば早いもので田中さんと僕との往復書簡も僕からのこの返信で最後となります。これは初回に言うべきことだったかもしれませんが、僕は元々は「共同体」という言葉には違和感を持ち続けていた人間でありました。しかし、様々な書籍そして他ならぬ田中さんの作品を通して、「共同体」についていま思考することの必要性、共同体という概念を拡張し現代の状況に対して有効性を持つものへと鍛え直す可能性について思いを巡らし始めていたときにこの往復書簡の

  • 61:再説・「爆心地」の芸術(28)種差デコンタ2016(2) - ART iT(アートイット)

    連載目次 八戸市美術館「赤城修司+黒田喜夫——種差デコンタ2016」展示風景(会場1階) © ICANOF 写真提供: ICANOF それにしても、福島市内のカリオキバとその痕跡を寡黙な撮影を通じて記録し続ける赤城修司と、忘れられた前衛詩人にして「ことばの内乱者」、黒田喜夫(きお)とのあいだに、いったいどのような関係があるというのだろう。しかも、この「種差デコンタ」展の中で後者は決定的に不在のままだ。それなら、見る者は自力で赤城のうちに黒田を見出し、黒田の中から赤城を浮かび上がらせるしかあるまい。しかし、それをするにしても両者は生きる時代も抱えた背景もすべてが違っている。いや、違っているだけではない。むしろ対照的でさえあるのだ。 黒田が使うのは言うまでもなく詩の言葉だ。たとえ、それが既存の詩の言葉へのうちなる違和の念から「反詩」へと傾斜していたのだとしても、そのために駆使されているのが隠喩

  • カスパー・ケーニヒ インタビュー - ART iT(アートイット)

    残るものさえ真理なり インタビュー / アンドリュー・マークル Claes Oldenburg Giant Pool Balls (1977), Skulptur Austellung in Münster 1977, photo LWL / Hubertus Huvermann 2016. ART iT この20年の間に日ではミュンスター彫刻プロジェクト(以下、彫刻プロジェクト)をモデルにしたような新しい形の展覧会が増えてきました。その多くは人口が減少し、経済や産業も縮小している地域を舞台にして、もはや使われていない学校や工場、家屋などの建物を転用した複数の会場からなるアートイベントとして開催されていますが、それらは地域のインフラや経済の再生を目的とした支援を受け、行政や地方自治体との間に強い結びつきがあります。彫刻プロジェクトがそれらと異なるのは、当初、ミュンスターの市民や行政と対立

  • 63:2016⇔2017 回視と展望 - ART iT(アートイット)

    連載目次 飴屋法水「何処からの手紙」(茨城県北芸術祭2016)は、参加者が茨城県北の実在郵便局に葉書を送り、招待状風の手紙を受け取ることで始まる。写真は、手紙の1つに導かれ辿り着く久慈川のほとり。 ほぼ一年前の2015年末、欄では「2015年回視 — 『ベスト展覧会』の対岸から」と題し、この場を一回分割いて一年間の美術の現況をめぐる回顧を行った。回顧ではなく「回視」とし、「対岸から」となっているのは、毎年この時期ににわかに盛んとなる「年間ベスト展」をめぐるプチ熱を、少し冷めた位置から眺めておきたかったからだ。かく言う私も『読売新聞』の「3氏が選ぶ展覧会ベスト4」欄で、そうした「風物詩」に寄稿するのが恒例となっている(*1)。ちなみに、2016年に開かれた展覧会から私が選んだのは、「MIYAKE ISSEY展:三宅一生の仕事」(国立新美術館)、飴屋法水「何処からの手紙」(茨城県北芸術祭)、

  • ■ -2017年5月7日[日] 「エリザベス ペイトン:Still life 静/生」 [原美術館] - ART iT(アートイット)

    原美術館[東京・品川]より 「Kurt Sleeping」1995 板に油彩 27.9×35.6 cm Private Collection, New York © Elizabeth Peyton, courtesy Sadie Coles HQ, London; Gladstone Gallery, New York and Brussels; neugerriemschneider, Berlin 【展覧会概要】 90年代半ば、ミュージシャンや歴史上の人物、あるいは恋人や愛犬など、自身にとって“憧れ”の存在や“美”を描いた肖像画が、時代に新風をもたらす“新しい具象画”と称されたアメリカの女性作家、エリザベス ペイトン。近年では風景や静物、オペラからもインスピレーションを得るなどその表現を一層深め、各国で高い評価を得てきました。透明感のある特有の色彩、素早くも繊細な線によって、対象をた

  • ボリス・グロイス インタビュー - ART iT(アートイット)

    アートに力は内在するか? インタビュー / アンドリュー・マークル(※メールインタビュー) Spread from The Blind Man, no. 2 (May 1917). ART iT 著書『アート・パワー』を英語で出版した2008年から、あまりに重大な8年が過ぎました。この間に起きた数多くの出来事の中には、2008年9月の世界金融危機、オキュパイ運動やティーパーティーなど左右のポピュリズム運動の台頭、ギリシャ債務危機、ブレグジット、アラブの春、ISISの登場、欧州難民危機、ロシアのクリミア編入、中国の近隣諸国領海への侵入、キューバとアメリカ合衆国の国交回復がありました。また、イスラエルやトルコ、ポーランド、インド、日、そして、アメリカ合衆国と、ナショナリズムや独裁性の強い政権が誕生する傾向も目にしてきました。現在という地点から振り返ったとき、書に収録した1997年から200

  • 難民の移動ルートを学びの場へ変容させる「道の演劇」 - ART iT(アートイット)

    難民の移動ルートを学びの場へ変容させる「道の演劇」: ヨーロピアン・シンクベルト / マクドナルド放送大学 レポート 文/ 相馬千秋 写真上: ムーザントゥルム劇場エントランス 写真下: 劇場内部のカフェ ここはどこだろう?多くの人が、瞬間的にマクドナルドを想起するにちがいない。しかしよく見ると何かが違う。Mのアイコンが角ばっている。そして看板には、「McDonald’s Radio University」の文字。実はここは、ムーザントゥルム劇場のカフェである。ドイツ・フランクフルト市が出資し、欧州のフリーシーンを牽引する公共劇場の一つだ。周囲はフランクフルト市内でも有数の閑静な高級住宅街。創設から30年、地域の風景の一部となっていた劇場のカフェが、ある日突如マクドナルド店に変容したことに、観客も地域住民も困惑と好奇心の入り混じる感情で様子を窺っているという。 2017年3月2日、この擬似