環境省がニホンカワウソを絶滅種に指定した28日、約30年前に国内で最後に確認された高知県須崎市など、その自然繁殖を信じてきた市民や研究者からは落胆の声が相次いだ。 愛らしい姿から、地域振興や環境保全のシンボルとしても親しまれており、“地域の顔”としての喪失感は予想以上に大きい。 1979年に同市の新荘川でニホンカワウソが泳ぐ姿を見た同市下郷、農業鍋島誠郎さん(60)は「あの愛らしい姿を見られないと思うと寂しい」と、しのんだ。当時すでに希少な存在として新聞で取り上げられるなど話題になり、父、昭一さんは写真に残していた。 この年を最後に、同市でも映像などで裏付けられる確かな目撃例はなくなり、91年には「絶滅危惧種」に指定された。自然豊かな県を象徴する動物としてその存在感は高まり、2001年にはニホンカワウソをモデルにしたマスコットとして同市が「しんじょう君」、県警は「かわうそポリンくん・かわう