電気を通しやすい地層(低比抵抗層)が海岸線から内陸側数kmにわたって分布 低比抵抗層の分布域は津波浸水域と一致 地下の高比抵抗層に農業などにも利用可能な新たな地下水資源の可能性 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)地質情報研究部門【研究部門長 牧野 雅彦】地球物理研究グループ 大熊 茂雄 主任研究員と地圏資源環境研究部門【研究部門長 駒井 武】物理探査研究グループ 上田 匠 研究員は、2012年6月に宮城県亘理郡亘理町、亘理郡山元町、福島県相馬郡新地町、相馬市において、東日本大震災に伴う津波被災地の海水の地下への浸透状況を調査するため、ヘリコプターを用いた空中電磁探査を実施した。 この調査により、海岸線から内陸側数kmにわたって地下の浅部(深さ0~5 m程度)に比抵抗が20 Ωm 程度以下の電気を通しやすい低見掛比抵抗層が広く分布し、その分布域の境