(3月7日午前 追記あります) 昨年8月27日にリリースされましたメルシャン株式会社の不適切取引に関する第三者委員会報告書は、会計不正を早期に発見できなかった原因が詳述されており、今後の不正取引の未然防止のためにはたいへん有益なものだと思います。この報告書では、同社熊本工場における架空循環取引を追い詰める監査部長と常勤監査役の姿が記されておりますが、残念ながら架空取引のスキームに関する知見に乏しかったために、熊本工場責任者を追いきれなかったこと(同報告書18ページ)、そして不正行為の確証が得られなかったために取締役会で報告ができなかったこと(同42ページ)を重大な問題として指摘されております。 不正調査に携わる者の一人として、架空循環取引は、まことに発見することは困難であり、また民事・刑事責任追及のための確証を得ることも容易ではありません。したがって、一般企業の担当者や監査責任者が確証をも