【アボタバード(パキスタン北部)西尾英之】国際テロ組織アルカイダ指導者のウサマ・ビンラディン容疑者が2日未明、潜伏先のアボタバードの邸宅で米軍の急襲を受け死亡した事件で、邸宅のすぐ近くに住む少年(16)が5日、毎日新聞に当夜の模様を詳しく証言した。激しい銃撃戦の音などは聞いておらず、米軍は短時間のうちに一方的に容疑者を殺害し、遺体を運び去ったとみられる。 午前0時過ぎ、畑の中に着陸したヘリコプターのごう音で多くの住民が自宅を飛び出した。その前から地域は停電していた。「暗闇でほとんど何も見えない中、兵士の銃の先からレーザー光線が放たれた。映画のようだった」。ビンラディン容疑者の潜伏先とされた邸宅から畑を隔てて約100メートルの場所に住む少年は、父親とともに自宅わきから兵士たちを目撃した。 「兵士は『ザーマラ、ザーマラ』とぼくたちを制止した」。「ザーマラ」はアフガニスタンとパキスタンにまたがっ