ゴールデンウィークの余韻もそろそろなくなってきた今日この頃ですが、10日、厚生労働省が「労働基準関係法令違反に係る公表事案」として、労基法違反などをして送検された企業について、具体的な企業名を出して公表したことが話題となっています。 <厚労省>書類送検“ブラック企業”334件 HPに初公表 有名なところでは、電通や日本郵便が目に入ってきます。 他にも有名な企業が少なからず見受けられます。 ブラック企業を回避する一つの目安にまず、このことの是非ですが、これは良いことであると評価したいと思います。 中には、公表すると、その企業が困るではないか!という人もいるでしょう。 しかし、労働者がブラック企業に入社しないようにするというのはとても大事な問題です。 ここで誤らなければ、かなりの労働者が救われると思います。 ですから、このリストはブラック企業に入らないための重要な指標となると思います。 むしろ
労働者が仕事上のミスによって使用者に損害を与えた場合に、損害額を労働者の給料から差し引いて支給するケースがときどき見られる。 このような天引きは、業務上の事故がつきものの運送業などでは、ある程度広く行われているようだ。 この問題は2つの層に分けて考えることができる。 そもそも使用者は、労働者の業務上のミスを理由に、労働者に対して損害賠償請求できるか。 仮に使用者が従業員に損害賠償請求できるとしても、賠償金を給与から差し引く方法で取り立てることは許されるか。 以下、この2つの問題について説明する。 1.使用者は労働者の業務上のミスを理由に労働者に損害賠償請求できるか 労働者が業務上の注意義務に違反して、故意または過失により使用者に損害を与えた場合、使用者は不法行為(民法709条)または債務不履行(民法415条)を根拠に労働者に損害賠償請求をできる場合がある。 労働者が自らの故意または過失で使
月単位,人単位で業務に従事させた契約の解釈が問題となった事例 事案の概要 ベンダXとユーザYは,平成23年5月31日,請負業務に関する基本契約(本件基本契約)を締結し,本件基本契約に基づく個別契約として,3回にわたって(合計代金420万円)が締結された。作業内容は,美容サロン向けのPOSシステム(本件システム)の改修作業であった。 本件基本契約によれば,代金は,Yが本件システムを組み込んだ製品を販売した代金から配当することによって支払うこととされていた。 しかし,Yが,不具合がある等と主張し,これを支払わなかったことから,Xは代金420万円の支払いを求めた。 ここで取り上げる争点 Xは仕事を完成させたか 裁判所の判断 個別契約書には次のような記載があった。 1.本件委託内容は、本件製品の改修作業に関し、XY協議の上1人月相当と合意した作業を、Yの指示に従って行うものとし、改修後の本件製品の
稲田朋美防衛相は3月14日、学校法人「森友学園」の代理人として裁判に出廷していたことを認め、出廷していないとの発言を訂正した。ただ、出廷していたことについては「記憶になかった」として、虚偽の説明ではなかったと釈明している。 報道によると、森友学園の民事訴訟で、稲田氏の名前が、弁護士である夫と別の弁護士と連名で準備書面に記載されていた。2004年12月の第1回口頭弁論(大阪地裁)にも出廷していたという。 10年以上前のこととはいえ、民事裁判の代理人として出廷したことを忘れることはありうるのか。弁護士ドットコムに登録する弁護士たちに意見を聞いた。 ●6割が出廷の記憶ないことは「ありうる」 以下の4つの選択肢から回答を求めたところ、32人の弁護士から回答が寄せられた。 1.ありうる → 20票 2.ありえない → 11票 3.どちらでもない → 5票 回答は、<ありうる>が20票で最も多かった。
去る5月27日、京都地方裁判所(高松みどり裁判官)は、スナック菓子で有名な「株式会社湖池屋」の親会社(株式会社フレンテ。従って被告も同社)に有期雇用され、京都府南丹市にある「湖池屋京都工場」で、ジャガイモのカット、油で揚げられたジャガイモの選別等の業務に従事していた労働者が会社に対して未払残業代の支払い等を求めていた事件(京都地方裁判所平成26年(ワ)3216号)について、支払いを命じる判決を出しました。双方、控訴はせず、判決が確定しました(原告代理人は尾崎彰俊弁護士)。 この件、支払いを命じられた残業代等の賃金額は30万円弱ですが、賃金不払いの典型的なパターンがいくつも含まれている事例であるため、事件概要を紹介します。 その1:昼間でも980円の時給に深夜割増賃金を込みにしてしまうこの事案では労働者は時給980円の時給制で働いていました。そうである以上、夜10時以降の深夜時間帯の労働につ
一昨日(25日)の朝日新聞名古屋版の夕刊に載っていた件である。ローカルニュースは asahi.com には掲載されないことがあるので、スキャンした。 一部を引用する。 この会社は、家庭教師の学生アルバイトを「個人事業主」として扱い、業務委託契約を締結。学生との間で「生徒紹介契約書」を交わし、会社から学生に生徒を紹介していた。 この契約書には、指導後の報告書に記入漏れなどの不備があれば賃金を支払わない▽怠惰な行為があればペナルティー3万円▽いかなる理由でも交代できない――といった、不合理な内容が含まれていた。 うわ、この業者のこと、リアルで聞いたことあるよ! サンプル数一件だけど。「知り合いの知り合い」という一番あてにならないソースだけど。 スポンサーリンク 私が聞いたケースでは、あろうことか業者の側が弁護士を連れてきて、バイトの学生に対して契約違反による損害賠償請求をちらつかせながら、退職
労基法第26条「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない」。 2014年4月18日 ゼンショー本社からの回答を追加しました。 すき家で店舗閉鎖のため、シフトから外されたら賃金補償を求めることが出来る。 続きを読む
1,はじめに先日、ブラック企業対策プロジェクトの記者会見で、ハローワークに「固定残業代」の対策を指示した厚生労働省の内部資料を公開しました。これはプロジェクトの活動を進める中で明らかになったもので、情報公開請求によって入手したものです。 聞き慣れない方も多いと思われますが、「固定残業代」はかなり広がっています。そこで、「固定残業代」にはどんな問題があるのか、どう対応したらいいのかを整理しました。 2,新手の「残業代節約術」●固定残業代とは「固定残業代」。一部の弁護士や社労士が「残業代節約術」としてしきりに宣伝しているものです。月給の中に一定の残業代を組み込むことで、賃金の時間単価を下げると同時に、残業が発生しても「もう払っているよ」と支払いを免れる口実に利用することができるとされています。 まずは具体的な例を挙げてみましょう。「リクナビ2015」に掲載されている大庄の営業職の給与です。 【
匿名ダイアリーだけど顕名で書くよ。 専門業務型の裁量労働制は適用要件が厳しいんだよ。 例えば、プログラマーはダメだよ。 対象業務は下記厚労省のページで確認してね。 http://www.mhlw.go.jp/general/seido/roudou/senmon/index.html あと、仕事の仕方について一々指示を受けるような人はダメだよ。 そういう人は制度が違法になって、ちゃんと残業代貰えるよ。 例えば下記判例参照。 最近は裁判所のホームページで判決文を読めてしまうのだ。 エーディーディー事件(京都地裁平成23年10月31日 労判1041号49頁、大阪高判平成24年7月28日労判 1062号63頁)。 http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81784&hanreiKbn=06 弁護士 渡辺輝人 元増田:ブラック企業だから労基
今日は、ツイッターが「#すき家ストライキ」のハッシュタグで湧いている。今のところ呼びかけ主体が不明なので、筆者自身は、多分、ストは起きないと思っているが、せっかくなので法律的に分析してみよう。 1 ストは労働組合に入ってやるのが王道 ストライキは日本語で「同盟罷業」というが、労働組合を作らずに個人責任でやるのは勝手だ。しかし、それによって企業が損害を被ったときに、解雇されるだけでなく、損害賠償請求等をされる可能性もある。労働組合の素晴らしいところは 労働組合法 (損害賠償) 第八条 使用者は、同盟罷業その他の争議行為であつて正当なものによつて損害を受けたことの故をもつて、労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができない。 とされていて、労働組合も、その組合員も最初から免責されている(民事免責)ということだ。また、労働組合が行う正当なストライキは 労働組合法 (目的) 第一条 こ
新年度もはじまり、仕事も忙しくなった。 僕は、朝イチの仕事として、郵便物の発送や仕分けを行うようにしてるんだけど、 ある朝、届いた手紙を確認していたら、日本年金機構からの手紙が混じっていた。 何気なく開封してみたら、驚いた。 トップの画像が、その文面である。 要は、国民年金保険料を滞納しているので、 耳をそろえて、滞納している保険料を支払うか、 払えないなら、4月1日から4月9日の間までに 年金事務所の国民年金課に出頭して説明しろというもの。 フリーライターは、個人自営業なので、 お勤めの方と違って、給料から年金保険料が天引きされない。 したがって、自分で保険料を納付しなければならないのだが、 年金保険料は、毎月納付しているので、このような文面を送り付けられる心当たりがない。 あれこれ思案するうちに、思い出した。 去年、ブラック企業に潜入して社員として働いていたのだが 会社から支払われるは
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く