世界経済を襲った信用収縮の影響で、金融機関のリスクに対する見方が変わりつつある。リスクの範囲は急速に拡大し、流動性、ヘッジファンド、金融派生商品といった外部の市場圧力が露呈するものだけでなく、インサイダー不安、コンプライアンス問題、管理態勢の不備といった、業績に直接響きかねない社内状況も含まれるようになってきた。 Societe Generale問題(※訳注)のような最近の事例の要素まで含めると、リスクの範囲は相当大きくなる。そう考えると金融機関がリスクの評価方法を変え始めたのも無理はない。ある一時点においてのみ評価を実施するのではなく、継続的かつ発展的な基準に照らしたリスク評価に重点が置かれるようになり、この基準は調査と維持管理を行って個々の企業とバックオフィスプロセスごとに適用すべきものとなっている。 ※訳注:フランスの大手投資銀行Societe Generaleで、行内トレーダーが行