デパ地下をウロウロしていても、最近では節分用の豆を探すのが簡単ではありません。豆は煎餅やクッキーに練り込まれてひっそりと売られ、その代わりに、海鮮やトンカツの入った恵方巻きを求める人々が長蛇の列です。 関西の友達に言わせると、地元でさえ恵方巻きなんて食べていなかったというのですが、10年ほど前に登場した恵方巻きは、今や、まるで大昔からある様な、やらなければならない様な行事になりつつあります。 その起源はコンビニだと言う説もありますが、誰かが「流行っている」といえば、そうかなと思い、素直に従ってしまうという、日本の人々の単純さと純朴さを象徴する様なイベントに違いありません。 家で作れば原価100円ほどの恵方巻きを求める長蛇の列の横では、バレンタインのために形をこねくり回した安っぽいチョコレートや、かまぼこや煎餅が大量に売られています。中身は安っぽいものでも、入れ物や形を変えて、「これは流行っ