自民、公明両党が、退陣する気配のない菅直人首相をよそに、国会の審議促進に協力する姿勢に転じている。再生可能エネルギー固定価格買い取り法案の成立など首相の「退陣3条件」を整えて包囲網を狭める戦術だ。首相がすんなり退く保証はないものの、被災地対策が滞れば野党も批判されかねず、苦渋の選択といえる。 「辞める、辞めないに政治的エネルギーを使うのはムダだ。菅さんを相手にしない方が実りある議論が進んでいく」「菅さん抜きで、心ある与野党で協議を進める」。公明党の山口那津男代表は9日、テレビ東京の番組で「菅抜き」を連発した。自民党幹部も8日、日中戦争時の近衛声明(国民政府を対手とせず)をもじって「菅直人を相手にせず、だ」と語った。 自公両党は政府が15日に提出する11年度第2次補正予算案に賛成する方針。14日に審議入りする再生エネルギー法案も会期内成立に難色を示していたが、「いたずらに遅らせる意図はない」