静岡地裁の再審開始決定で釈放された袴田巌さん(78)の即時抗告審で、袴田さんの否認供述が含まれた取り調べ録音テープに、「そんなばかなことがあるわけない」「侮辱するにもほどがある」と、事件当時のアリバイがないとする取調官に袴田さんが反論するやりとりが収録されていることが10日、関係者への取材で分かった。弁護団は同日、東京高裁で開かれた3者協議後の記者会見で、テープを新証拠として提出する考えを示した。 関係者によると、テープには袴田さんの否認供述のほか、勾留期限間近、袴田さんが自白に転じる時のやりとりも含まれる。 袴田さんを犯人とした確定判決では自白調書1通を証拠採用していた。袴田さんは公判で再び否認に転じた。西嶋勝彦弁護団長は「前後の取り調べを含めて分析することで、虚偽自白だとより明白になる可能性がある」とした。弁護団によると、テープは約48時間分。再審開始決定後の昨年10月、県警の倉庫