【七飯、鹿部】左右には深い森、見上げれば空、足元は歩きにくい砂利道―。3日朝、渡島管内鹿部町の陸自駒ケ岳演習場内の小屋で6日ぶりに発見された田野岡大和君が通った可能性がある林道を、記者が歩いた。大和君が置き去りにされた場所から、小屋まで道沿いに約10キロ。大人の足でも約2時間半かかり、着いたころにはぐったりと消耗した。 大和君は、道道大沼公園鹿部線から未舗装の町道を西に約2キロ入った同管内七飯町の三差路で行方不明になった。そこから演習場方向へは緩やかな上り坂が続き、約5分行くと鉄製のゲートがあり、車両を遮る。地元住民が「たまに工事車両だけが通る。普通、人は行かない」と話す道だ。 道幅約3メートル。風景に変化が乏しく、方向感覚を失いそうだ。両側の樹木は濃く、脇へそれるのは困難だ。道が二手に分かれる箇所があり、大和君はどちらへ進んだか分からないが、二股の南側のルートは草が生い茂っているため、