「脱税企業を目の敵にしていたが、ガサ入れは難しかった」。国税OBは悔しそうに語った。=東京国税局掲示板 撮影:筆者= あまり(甘利)に理不尽である。貧乏人は血の一滴まで搾り取られるのに、金持ちは海外で脱税できる。 マスコミを賑わす「パナマ文書流出」は、久々に庶民の留飲を下げてくれる事件になるのだろうか? 国税庁OBによれば、国税庁査察部は英語に堪能な職員を数多く抱えていて、(パナマ文書に出てくるような)海外で脱税する会社をとっくの昔から知っているのだそうだ。 「パナマ文書が世に出たことで、国税庁がワッと査察に踏み込むような事件になるかというと、なりはしない」。国税OBは渋い表情をしながら、踏み込めない理由を幾つかあげた ― 先ずカネの流れの詳細がつかめないことだ。 「米国のデラウェア州は物凄く法人税が安い。タダみたいなので日本企業が多い。そこからケイマン諸島などタックスヘイブンに資金を移す