スタニスラス・スクロヴァチェフスキが、5月26日〜28日のベルリン・フィルの定期演奏会に登場した。スクロヴァチェフスキがベルリン・フィルを振るのは、1986年にショスタコーヴィチの交響曲第1番他を指揮して以来、実に25年ぶりだそうだ。今回のプログラムは、バリトンのマティアス・ゲルネをソロに迎えたハルトマンの〈歌の情景〉と、来年3月に読響とも共演するブルックナーの交響曲第3番というもの。 結果的にこの公演は、「最後にスタンディングオベーションを伴う圧倒的な成功」(ベルリナー・ツァイトゥング紙)といえるものだった。マティアス・ネーター記者による同紙の批評では、「(聴衆の賞賛は)スクロヴァチェフスキの精神的な存在と肉体的な調子のよさだけでなく、ブルックナーの長大な交響曲と無名かつ難解なドイツの戦後のモダン作品(ハルトマン)の指揮における、彼の驚くべき慧眼にとりわけ向けられたのだった」と客演指揮者