本報告書は、情報セキュリティ対策を実行する「個人のふるまい」に着目し、対策を実施するための要因を探求するために実施した「リスク認知と実行に関する調査」の事業報告をまとめたものである。情報セキュリティ対策は、ふたつのアプローチ、すなわち技術的アプローチとセキュリティマネジメントなどの組織的アプローチから推進されてきたが、一方で個人による対策実行がそれほど進んでいないと思われる状況もある。そこで、社会心理学分野の知見を援用し、情報セキュリティ対策を迫られた個人が、対策実行へと態度を変えるための要因を、アンケート調査と実験室実験によって明らかにする試みを実施した。調査、実験の結果について、統計分析を実施し、科学的に根拠ある事実を探究している。報告書は、概要文書と詳細な結果を含む報告書からなる。 本事業は、以下の有識者各位との議論のうえ進めた。