ネット証券のカブドットコム証券の元社員によるインサイダー取引事件で、弁護士でつくる同社の外部調査委員会が、社長の「独断専行型の経営」や「過剰な情報共有思想」、電子メールに頼る社内の「メール文化」が背景にあったとする報告書をまとめた。同社が28日公表した。 報告書は、知らせるべきでない重要情報を、斎藤正勝社長が全社員にメールで知らせたことが事件のきっかけになったと指摘。会長や社外取締役も監視する役割を果たしていなかったとしている。 社内のインサイダー防止規定については、親会社の三菱UFJフィナンシャル・グループの例にならったため、自社を「当行」と呼んだり、社内にない「店長」という言葉を使ったりしていると指摘。内部管理体制が「形式を整えるだけに終始し、適切に運用できていない」と批判している。カブドットコム証券は報告書を参考にして、社内処分や再発防止策を検討する。