ポイント 最先端走査型透過電子顕微鏡(STEM)法と独自開発の多分割型検出器により、金原子1個の内部に分布する電場の直接観察に世界で初めて成功した。 これにより、電子顕微鏡で単一原子の内部構造を直接観察することが可能になった。 単一原子の内部構造の可視化により、さまざまな分野におけるナノテクノロジー研究開発が格段に向上することが期待される。 東京大学 大学院工学系研究科附属総合研究機構の柴田 直哉 准教授、関 岳人 特任研究員、幾原 雄一 教授らの研究グループは、0.05ナノメートル以下の分解能を有する最先端走査型透過電子顕微鏡(STEM)法注1)と独自開発の多分割型検出器注2)を用いることにより、金原子1個の内部に分布する電場注3)を直接観察することに世界で初めて成功しました。この電場は、プラスの電荷をもつ原子核とマイナスの電荷をもつ電子雲との間のわずか0.1ナノメートル以下の領域に分布