中央集権から分散処理へ――クライアント/サーバアーキテクチャ 2000年前後より少し歴史をさかのぼってみる。メインフレーム主流の時代は、中央集権アーキテクチャのもとにクライアント環境(いわゆるシステム利用者の操作端末の環境)での操作は極めて限定されていた。ダム端末(「ダムたん」と俗称された。黒バックに緑色の文字という画面が多かったため筆者は「緑画面」と呼んでいた)と呼ばれる味気ないコンソール画面から、ホストコンピュータに指示を出すだけの機能しかなかったのだ。いまでこそ当たり前になったグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)も皆無で、コマンド入力が基本であった。もっともこのアーキテクチャが悪なのではなく、中央集権アーキテクチャの安定性・信頼性がクライアント環境の不便さを補ってあまりある利便性を提供していたものと理解すべきだろう。 このような不満を解消する手段として、分散処理アーキテクチ