巨額の財政赤字と公的債務の増加に依存する現在の政策。これを維持し続けることは、もはや不可能だ。インフレによる調整が最も無難とされるかもしれない。 世界中の政府や中央銀行による大がかりな金融緩和と景気刺激策、金融システム支援策が、深刻な景気後退が世界恐慌に発展するのを阻んだと一般的には見られている。恐慌を避けられたのは、1930年代の大恐慌や、90年代の日本の失敗に学んだからだ。 論議は、どのような回復過程をたどるかに移っている。「V字型(急回復)」か「U字型(緩やかな回復)」、あるいは「W字型(二番底のある回復)」かだ。 ゼロ金利で賄われる財政赤字 極めて重要な政策課題は、現在の大規模な財政出動や金融緩和政策から抜け出す「出口戦略」を、いつ、どのような手順で行うかだ。米国やユーロ圏諸国、英国、日本など多くの先進国で、巨額の財政赤字と公的債務の急増に依存する政策が取られている。だが、これを維