タイ、ベトナム料理などで近年人気の香草パクチーを温泉を利用して通年栽培し、首都圏に出荷する秋田県湯沢市の実証事業が芳しくない。長距離輸送中に鮮度が落ち、「企業版ふるさと納税」による事業への寄付金も昨年度はゼロと期待外れ。関係者はサンチュなどへの作目変更を模索している。 実証事業は2016年度から3年間、高収益が見込めるパクチーを栽培する取り組み。同市皆瀬のビニールハウス1棟には近くの小安峡温泉の源泉が引いてあり、冬期間の暖房や水耕液の温度調整に用いる。事業費は3年間で約1800万円。 実際に栽培を始めると、パクチーはハウス内の高い湿度に弱いことが判明。夏は約600キロ離れた東京への輸送中にしおれ、取引先から苦情が来た。 愛好者に好まれる独特の芳香が、水耕栽培で薄くなるのも誤算だった。昨年度の出荷額は46万円にとどまった。 企業版ふるさと納税は、自治体の地域活性化策に寄付した企業の税負担を軽