森永康平が斬る 「値上げラッシュ本格化」の深層、「若者の結婚離れ」のウソ:スタグフレーションの時代【後編】(1/5 ページ) 日本銀行の金融政策が、奇(く)しくも世界中の注目を集めることになった。「家計の値上げ許容度が高まってきている」という発言に批判が集まり、謝罪と撤回を余儀なくされた黒田東彦総裁。6月17日に日銀が表明した「金融緩和維持」の方針は、依然として「デフレマインドの払拭」というアベノミクス以来、一貫した姿勢を崩さないものだった。 一方、値上げラッシュが続く中で賃金が上がらなければ、その影響を大きく受けるのは家計だ。『スタグフレーションの時代』(宝島社新書)を上梓した経済アナリストで金融教育ベンチャーのマネネCEOの森永康平氏は、本記事の前編【森永康平に聞く「賃金が上がらない国・日本」の深層】で、いま政府に求められているのは、岸田文雄首相が総裁選の時に掲げていた所得倍増計画を実