5月後半、全日本空輸、NTT、JRの情報システムで相次いで事故が起きた。いずれの場合も、些細な操作ミスや切り替え作業が、システム全体が停止するような悪影響を与えてしまい、しかもなかなか原因を特定できなかった。残念ながら今後も、情報システムの事故は続くだろう。そうならざるを得ない構図について、日経ビジネス誌に「ITの07年問題は“逃げ水” 全日空などシステム障害、対応には限界も」という一文を書いた。本欄においては、情報システムの根本的な事故防止策について考えてみる。 情報システム事故の直接原因は、いずれも小さいミスである。しかしそれがより大きな事故につながる以上、現場の情報システム技術者はこれまで以上に細心の注意を払って、システムを開発し、動かし、維持しなければならない。 コンピューターの総合誌、日経コンピュータは6月11日号に「相次ぐ社会インフラの大規模障害」と題した記事を掲載、その中で「