2024年5月4日、5日の2日間にわたって開催されたずっと真夜中でいいのに。のKアリーナ横浜での公演、『本格中華喫茶・愛のペガサス 〜羅武の香辛龍〜』に足を運んで、はっきりとわかったことが二つある。一つは、ずとまよは何よりもまず第一に、ライブバンドであるということだ。それも、現在国内有数というか、この規模の会場で万単位のオーディエンスを集客するバンドとしては唯一無二の。 もう一つは、これまでもバンドの構成や独創的なインストゥルメントの数々からそのアバンギャルド性が音楽的なスパイスとして機能していたが、今回のライブではもはやそれは後景としてではなく前景となっていて、正真正銘の前衛的な音楽集団になっていることだ。そして、そこで重要なのはそれでも従来のポップさをまったく失ってはいないということ。言い換えるなら、アバンギャルドであることが目的化しているのではなく、ポップさを突き詰めた先に必然的にア