先月、韓国に出張した際、学者や元外交官ら複数の取材相手から「安倍晋三首相の外交はうまい。なかなかやる」と指摘された。要所に布石を打ちながら、多角的に外交を進める首相の「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」のことである。 「日本に『フェア・ゴー(公平に行こうというオーストラリアの精神)』を与えてください。日本は今日の行動で判断されるべきだ。70年前の行動で判断されるべきではない」 オーストラリアのアボット首相は8日の安倍首相との共同記者会見でこう述べ、さらに強調した。 「日本は戦後ずっと、本当に模範的な国際市民だった。日本は法の支配の下で行動をとってきた。日本に『フェア・ゴー』をというのは『公平に見てください』ということだ」 さぞや中国の習近平国家主席は歯がみをしたことだろう。前日の7日の講演で「抗日戦争の勝利から70年となる今日も、依然として歴史の事実を無視し、時代に逆行しようとする者がいる」