コロナ渦中で他者と接する機会を失われた、一人暮らしの男。 仕事で行われる会話も、友人と交わす会話もなくなり、レジで店員に向けて放つ「大きい袋をください」の言葉以外は、せいぜい独り言を漏らすばかり。 会話がしたい……コミュニケーションがしたい……。 声の出し方すら若干わからなくなってきている……! 数年に渡る会話不足は、一人のおしゃべりを狂気の実験へと至らせた。 ついに彼は聴衆を気にすることのないたった一人の雑談を配信することで、コミュニケーション不足を補い始めたのである。 誰とも喋れずとも、誰も聞いていなくとも、連日行われる虚空への会話。 『一人で喋る狂人(スタンダップ・マッドマン)』誕生の瞬間であった――。 ご紹介に預かりました『一人で喋る狂人(スタンダップ・マッドマン)』です。 話したいけど話し相手がいない。より正確に言うならば、話す相手に狙いをつけて連絡して話そうと思えばそれも可能か
