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ブックマーク / cruel.hatenablog.com (79)

  • フェイスブックは人を不幸にする! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた) 作者: デビッド・カークパトリック,小林弘人解説,滑川海彦,高橋信夫出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2011/01/13メディア: ペーパーバック購入: 33人 クリック: 2,842回この商品を含むブログ (240件) を見る Get A Life!! Facebook is Bad for You (2013/8/17号 p.68) フェイスブック参加の誘惑に抵抗し続けてきた人々は、最新の研究成果を読んだら勝ち誇ることだろう。ちょうど「Public Librarry of Science (科学の公共図書館)」誌に発表された、ミシガン大イーサン・クロス&ベルギーのルーヴァン大フィリッペ・フェルデュンが実施した研究によれば、人はフェイスブックを使えば使うほど、人生に対する満足度が下がるとのこと

    フェイスブックは人を不幸にする! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2013/08/19
    「何事も、ほどほどが大事」ってことで。
  • 公立公園の宿泊施設に聖書を置くのは政教分離違反? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    神は妄想である―宗教との決別 作者: リチャード・ドーキンス,垂水雄二出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/05/25メディア: 単行購入: 14人 クリック: 257回この商品を含むブログ (178件) を見る 世界各地のホテルに行くと、ベッドの脇のスタンド引き出しに聖書が入っていることがよくある。ギデオン教会なんかがやってる布教活動の一環ですな。最近は、それに負けじとどこかの仏教団体が仏典を置いたりするのも見かける。 で、また例によって The Economist の記事だけど、無神論者がそれに噛みついたんだって。 山小屋で読むドーキンス (2013/6/1号) ああいう聖書は、アメリカの国立公園や州立公園などにある山小屋その他にも置かれている。これに対してアメリカ無神論者協会がかみついた。これは政教分離に違反しているじゃないか、公共の作るものに特定宗教のプロパガンダが置か

    公立公園の宿泊施設に聖書を置くのは政教分離違反? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2013/07/04
    「当然の話だけれど、なんかきっぱりわかれる一線というのがあるわけではなく、場当たり的に決まったりするわけだ」
  • イタリアファッション:縫い手がいない! あるいは機械との競争で勝つにはみんな大学に行かせろ、というのは本当なのか? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    The Economist で見つけた記事。 イタリアファッション:縫い手がいない! (2013/6/22号) 全部訳すのはあまりに煩雑なんだけれど、つまるところ現在、イタリアの縫製業界が人手不足で困っているという話。イタリアのファッション業界がきわめて高い評価を得ているのは周知のことだけれど、それはデザインだけじゃない。当然ながら、その高度なデザインを支える高い縫製技術があるから。ところが、そうした人々はどんどん高齢化する一方で、若者はそういう職につきたがらない。するともうイタリアファッションがいずれ支えられなくなるのでは、というお話。 イタリアは一方では高失業率で悩んでいる。でも一方ではこういうところで、人手不足がたくさん生じている。でも肉体労働や手作業、工業の現場に対する蔑視があって、みんなホワイトカラーのオフィスワークで楽な高給取りになるのを夢見ている。だから給料はどうあれ、そうい

    イタリアファッション:縫い手がいない! あるいは機械との競争で勝つにはみんな大学に行かせろ、というのは本当なのか? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2013/06/26
    これからはブルーカラーの時代。(業界が消えなければ。「アラブの春の一年ほど前にぼくがチュニジアを調べたときには、大卒者の職をどう造るか、というのが国としての大きな課題だった」
  • ぶにょぶにょそん他『機械との競争』:他の説明との比較がまったくないのが不満。ブックデザインお見事。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    機械との競争 作者: エリック・ブリニョルフソン,アンドリュー・マカフィー,村井章子出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2013/02/07メディア: 単行購入: 4人 クリック: 46回この商品を含むブログ (41件) を見る まずこのを採り上げるなら、一応お約束なのでこれを…… 原題は一応意識してるみたいなので、言及してあげるのが筋ってもんでしょー。 で、の内容はつまらない。機械が発達しているので、単純作業はどんどん置き換えられ、それを使える高技能でスーパースターな超高給取りと、もはやクソの役にも立たない機械以下の仕事に甘んじるしかない低技能職との二極分化が起きつつあるそうな。いま失業者がたくさんいるのはそのせいなんだって。景気が回復しても失業が減らないのも、所得格差が広がっているのも、そのせいなんだって。 そういう議論があり得ることは認めよう。機械は確かに頭がよくなっている

    ぶにょぶにょそん他『機械との競争』:他の説明との比較がまったくないのが不満。ブックデザインお見事。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2013/06/03
    あー、装丁はかっこよさげだな、ほんとに。
  • 芸術における「完成」など - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    横尾忠則全ポスター 作者:横尾 忠則国書刊行会Amazon 任期の切れた朝日新聞の書評委員だけれど、役得といえばがたくさんもらえて読めることとお弁当に加えて、えらい委員たちの雑談が聞ける、というのがあった。 で、ある日、横尾忠則がたいへん憤っていた。仕掛かりのまま手放した作品があって、それがある美術館に展示されているんだけれど、そろそろそれを完成させたいと思ってその美術館に連絡したら、そんなことをされては困ると言われたんだって。美術館としては、その状態の作品としてお金を払って購入したんだし、それを改変するのはダメというわけ。 憤るといっても別に激怒ではなく、委員会席上のお笑い半分として横尾さんが披露した話しで、聞いていたぼくたちも、わっはっは、それは融通が利かないですねえ、と笑っておしまいだったんだが、いまやっている別の仕事でふとこの話を思い出したことですよ。 これは何なんだ、所有権の問

    芸術における「完成」など - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2013/05/23
    俺もどっちかというと「いったん手離れしたものはもう手離れしてるんだし未練たらしいこと言うな」と思う方で、「完成」させたいものは新しい作品として昇華してほしいもの。
  • 男の魅力とは?? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Abs-olutely fabulous (The Economist 2013/4/13号 p.76-77) 女だって異性への期待は、男と同じくらい非現実的なのだ。 男たちは昔から、女の求めているのはずばり何なのか悩んできた。中には「割れた腹筋」を約束するメンズ健康雑誌に導きを求める者たちもいる。もっと科学志向の強い連中は、実験データを見る。最新の証拠は、オーストラリア国立大学(当時)のブライアン・マウツ率いる研究者たちのものだ。かれらはオーストラリアの異性愛女性105人を集め、以下の三つの身体特徴を変えた男のデジタル生成写真を見せた:身長、肩幅とウェスト幅の比率、しびたチンコのサイズ。そして、性的パートナーとしてその男性をどう評価するか採点させた。 「国立科学アカデミー論集」で刊行されたばかりの記事で、マウツ博士らはその結果を記述している。自信なき者たちにはうれしいことに、女性たちは確

    男の魅力とは?? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2013/05/13
    「女性たちが現実世界で出会う男性のうち、女性たちの期待するほどの立派なサイズを持つ者は2.5%以下しかいない」「生物学の常識として、メス(どんな生物でも)はオスよりもずっと相手選びにうるさい」
  • 実測データ収集へのこだわりで、被曝水準の低さが裏付けられる - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    デニス・ノーミル(Dennis Normile) 原文:Insistence on Gathering Real Data Confirms Low Radiation Exposures (Science 10 May 2013: Vol. 340 no. 6133 pp. 678-679) (翻訳 山形浩生) 東京: 2011年3月、福島第 1 原子力発電所での惨事が展開する中で、早野龍五は放射性物質の放出についてツイッター投稿を始めた。この東京大学素粒子物理学者は、次第に地域住民の被曝をめぐる論争にますます深く引きずり込まれるようになっていったのだった。当局がきちんとした事実を提供していないことに失望した早野は、学校給の放射性セシウム検査を始めた。これは福島周辺の環境で最も量の多い放射性核種だ。そして、汚染物をべることで地元住民がどれだけ放射性核種を吸収しているか計測しようとし

    実測データ収集へのこだわりで、被曝水準の低さが裏付けられる - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2013/05/11
    早野先生の話か。
  • 岩田規久男の業績おさらい会での妄想など。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    デフレの経済学 作者: 岩田規久男出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2001/12メディア: 単行購入: 4人 クリック: 131回この商品を含むブログ (22件) を見る はじめに 今日(というのは2/16)、「岩田規久男先生の学恩をなんとか」というシンポジウムに呼ばれたので、ちょっと行ってきた。ぼくは岩田規久男に直接教わったことはないけれど、もちろん彼の研究業績にはたくさん世話になっているし、また来客リストを見ると日リフレ派オールスターみたいな感じで野次馬根性が出たのもある。もちろんぼく以外の来場者はみんな、経済学の先生や経済政策の重鎮たちで(除く道端カレンだが彼女は別枠)、ぼくなんぞホントに末席を汚すという感じではあったんだけれど。 さて、シンポジウムは、岩田規久男のこれまでの業績をふりかえる、というもの。四人の人が、岩田規久男の活動した主要分野について概略を述べた。そ

    岩田規久男の業績おさらい会での妄想など。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • テスラ『ニコラ・テスラ:秘密の告白』:ちゃんとしたテスラの著書。信じなさい! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ニコラ・テスラ 秘密の告白 世界システム=私の履歴書 フリーエネルギー=真空中の宇宙 作者: ニコラ・テスラ,宮寿代出版社/メーカー: 成甲書房発売日: 2013/01/16メディア: 単行購入: 17人 クリック: 543回この商品を含むブログ (4件) を見る えー、屋でトンデモな方々のに混じって並んでいたので、まずこれは物なのか、というのが気になるところ。テスラの書いたものは三ページだけで、あとはトンデモ陰謀論者の妄想が並んでいたりしないだろうなあ…… ……とこわごわ買ってみたが、まったく問題なし。 としては、以下の二つの全訳(上のやつは自伝メモ "My Inventions" kindle 版のはずなんだがなぜか表示されない): My Inventions (English Edition) 作者: Nikola Tesla出版社/メーカー: the Philovox発

    テスラ『ニコラ・テスラ:秘密の告白』:ちゃんとしたテスラの著書。信じなさい! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 宮本『企業家たちの幕末維新』:当時のビジネスマンの本。活躍したのは役人や政治家だけではない! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    企業家たちの幕末維新 (メディアファクトリー新書) 作者: 宮又郎出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2012/12/28メディア: 新書購入: 12人 クリック: 512回この商品を含むブログ (2件) を見る これまたタイトル通り。幕末や明治初期の企業家というと、渋沢栄一とかその後の財閥の創始者たちがぱっと浮かんで後は出てこないけど、当然ながらいろんな企業家が活躍したことで、富国強兵も実現できたし、その後の発展もあったわけで、そうした活躍ぶりの手際いい解説としてとても有益。技術的な面と資や財務経済的な面、マーケティングの面など、視点も偏らずに手堅い。幕末の志士だの伊藤博文や後藤新平だのばかりに注目せず、こうしたビジネスマンの活躍も見よう、というのはおっしゃる通り。ジョブスの伝記なんか読むよりはこんなでもさらっと読んだほうが、いろいろ得るものはあると思うよ。 山形浩生

    宮本『企業家たちの幕末維新』:当時のビジネスマンの本。活躍したのは役人や政治家だけではない! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 三浦『シビリアンの戦争』:シビリアンコントロールは本当に有効か? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき 作者: 三浦瑠麗出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/10/19メディア: 単行購入: 13人 クリック: 615回この商品を含むブログ (14件) を見る 書は、ぼくたちの多くが慣れ親しんでいる軍や戦争に関する基的な考え方に大きな疑問をつきつけるだ。従来の発想では、軍人は戦争大好きだとされる。だから平和を愛する文民が彼らの活動を常に監視し、抑えなくてはならない。これが文民統制(シビリアンコントロール)の発想だ。 でも近年の多くの戦争の実態はちがう、と著者は指摘する。軍人たちは、戦闘で真っ先に死傷するのは自分たちだ。だから勝算のない無意味な戦争にはきわめて慎重だ。むしろ文民たちのほうが、独裁政権打倒とか対テロとか、その時の勝手な思い込みと勢いで、軍人たちを(民主主義のおかげで!)戦争に引きずり込んでいる、と。すると、文民

    三浦『シビリアンの戦争』:シビリアンコントロールは本当に有効か? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2012/12/19
    「ネット掲示板で国防を強化しろとか言っているネトウヨ諸君は、もちろん一声かければみんな一兵卒としてはせ参じてくれる意識の高い人ばかりで、別に安全な場所から付和雷同のかけ声をかけているだけではないと思」
  • 関『東日本大震災と地域産業復興』: 震災復興の歩みから日本産業の将来像を見通す - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    東日大震災と地域産業復興 II: 2011.10.1~2012.8.31 立ち上がる「まち」の現場から 作者:関 満博発売日: 2012/10/15メディア: 単行 東北震災以来、もう二年近く。ニュースだけ見ていると、国としての初動の遅れ、空疎な文明論を並べて増税の口実にされただけの復興会議、さらに最近判明した復興予算の流用など、特に国レベルの対応のまずさばかりが伝わってくる。また一部では原発事故への過度の不安から、瓦礫受け入れなど復興への協力すら拒否しようとする人々までいるのは悲しいことだ。 だがもちろん地元の企業や人々は着実に復興を進めている。書は震災の直後、東北各地の特に製造業を中心とした産業復興の様子を、中小企業へのたんねんな取材調査で継続的に描き出す。それも「がんばりました」の一時的な美談集ではない。多種多様な企業の事業復活が、震災から一年半のそれぞれの時点で東北全体の産業

    関『東日本大震災と地域産業復興』: 震災復興の歩みから日本産業の将来像を見通す - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 『ギャルと不思議ちゃん』の続き - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ギャルと不思議ちゃん論―女の子たちの三十年戦争 作者: 松谷創一郎出版社/メーカー: 原書房発売日: 2012/08メディア: 単行購入: 22人 クリック: 876回この商品を含むブログ (19件) を見る 先日、松谷『ギャルと不思議ちゃん』について、批判的な書評を書いたところ、はてブでこんなコメントがついた。 結論やメッセージがあったらどうだって言うんだ?地図や年表には意図があるのか? ある一定ジャンルの期間をそれなりに客観的に俯瞰して眺められる体験は、それなりに有益だと思うが?関係を示唆するのも十分に主張 さて……この人はぼくと意見がちがうつもりで、おそらくはあまり変わらない。ぼくは上のコメントで「それなりに」が繰り返されているのがおもしろいと思う。「それなりに」有益だとは思う一方で、この人はやっぱり、それなりの有益さでしかないと思っている。これはぼくが昨日の書評で述べている、「労

    『ギャルと不思議ちゃん』の続き - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2012/09/21
    これは確かに幻想。この幻想が逆に陰謀論なんかを惹起するのかね。「なんか中立的に何の意図もなく存在している人工物があるという変な幻想が、多くのネット上の連中にははびこっている」
  • 冨田『ロシア宇宙開発史』:アメリカとはまったく別の技術の系譜 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ロシア宇宙開発史: 気球からヴォストークまで 作者: 冨田信之出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2012/08/31メディア: 単行購入: 7人 クリック: 383回この商品を含むブログ (3件) を見る ロシアの宇宙技術は、テーマとしてはマニアックながら、アメリカとは別の技術的な系譜として興味深いもの。書はその歴史を、帝政ロシア(いやそれ以前)からフルシチョフ失脚による最盛期の終わりまで、ロシア語文献を駆使しつつ詳細に記述。英語では標準文献のオーバーグ『軌道の赤い星』も邦訳がない現在の日では、この分野でほとんど唯一無二のではないか。一度回収され、満を持しての刊行はうれしい。 神話化しているロケットの先駆者ツィオルコフスキーの業績などもきちんと相対化し、技術政治と人間ドラマのからみあいの書きぶりも見事。コロリョフも限界はありましたか……。 いずれ書の先のミールや他国へ

    冨田『ロシア宇宙開発史』:アメリカとはまったく別の技術の系譜 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 小熊『社会をかえるには』:大風呂敷広げといて結論は小学校レベル。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    社会を変えるには (講談社現代新書) 作者: 小熊英二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/08/17メディア: 新書購入: 8人 クリック: 352回この商品を含むブログ (71件) を見る 書の主張は非常に単純で、社会を変えるためには、ちゃんと自分なりの発言をして声をあげ、デモとかにも参加したりしましょう、ということ。 それだけのために、なんでこんな分厚い(500ページ以上)が必要なのか。まず最初の部分では社会の現状説明なんだけれど、高度成長期から始まってオイルショックでポスト工業社会で、という話。ここで読者が受け取るメッセージはつまり、社会というのは経済に依存する、ということだ。社会を変えるには経済を変える、という話なのか……と思うと、後半になって延々原発の話になるんだけど…… それって関係なくね? いや、著者自身がそれは関係ないことを指摘しているんだ。原発がなぜやめられ

    小熊『社会をかえるには』:大風呂敷広げといて結論は小学校レベル。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • デュマ『モンテ=クリスト伯』:おお、新訳! まとめて一冊! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    モンテ=クリスト伯爵 (オペラオムニア叢書) (オペラオムニア叢書 1) 作者: アレクサンドルデュマ,大矢タカヤス出版社/メーカー: 新井書院発売日: 2012/06/27メディア: ペーパーバック購入: 27人 クリック: 1,967回この商品を含むブログを見る すばらしい。新訳が出ましたか! 「モンテクリスト伯」は、長いけど新聞小説だけあって、山場ばっかりで下のペルッツのような上品さはかけらもないが、まあめっぽう面白い。だまされ、ふられ、裏切られ、島流し、復讐! それも武力あり経済戦あり裁判戦ありのなんでもかんでも盛りだくさん。 横書きになっているのでちょっと嫌がる人もいるかもしれないけど、これがまとめて一冊で読めるのはいいし、訳文も古くさくなくてすらすら読めるし、古いイラストも入ってるし、すばらしい。今日なにげなく買って、読み始めたら一気に島流しまできてしまい、あわててを閉じたん

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    nijuusannmiri
    nijuusannmiri 2012/08/31
    厚さが10cmくらい、か。気にはなるので、まー、そのうち。
  • 西田『新しい刑務所のかたち』:PFIを口実にした刑務所自体の改革 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    新しい刑務所のかたち -未来を切り拓くPFI刑務所の挑戦- (ShoPro Books) 作者: 西田博出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション発売日: 2012/06/28メディア: 単行購入: 4人 クリック: 113回この商品を含むブログ (1件) を見る 十年以上前、書のテーマとなる、公共施設の整備運営を民間に任せるプライベート・ファイナンス・イニシアチブ(PFI)制度の海外事例を調べたことがある。単なる民間事業委託ではない。事業の自由度を高め、民間の創意工夫の活用で、低コスト高サービスの提供がPFIの真骨頂だ。前例主義や形式主義、事なかれ主義のお役所がそうした自由度を容認するかが課題の一つとなる。 そうした自由度の最もなさそうな刑務所に、この仕組みが導入されたというのには驚いた。 だがそれは、嬉しい驚きではあった。著者はこのPFI制度の導入を機会に、刑務所自体の大幅な改

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  • 三橋『昆虫食文化事典』:昆虫食そのものから、それをとりまく古今の文化まで網羅した力作。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    昆虫文化事典 作者: 三橋淳出版社/メーカー: 八坂書房発売日: 2012/06メディア: 単行購入: 1人 クリック: 206回この商品を含むブログを見る 虫と言ってもしばらく前に欄で書評の出た快著『「腹の虫」の研究』は観念としての虫の話だったが、こちらは当に腹に入れる虫の話だ。ちなみに入門者には日のバッタの佃煮かラオスのコオロギ炒めが個人的にはおすすめ。イモムシ系はぼくですらハードル高いっす…… 閑話休題、昆虫料理は意外と多いが、このシリーズの前著『昆虫大全』は分厚さも網羅性も群をぬく一冊だった。しかもキワもの紹介に終わらず、各地の虫の正確な同定まで行い、実用性ばかりか専門性も高かった。 が、その続編の書はさらに踏み込み、世界各地の昆虫文化を扱う。料理法や味の分析だけではない。虫の捕まえ方、その職能の社会的地位、文化の基盤となる虫自体の分布や気候特性との関わりや、

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  • 片岡『円のゆくえを問い直す』:異様な密度でアンチョコにさせていただきます。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    円のゆくえを問いなおす―実証的・歴史的にみた日経済 (ちくま新書) 作者: 片岡剛士出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/05メディア: 新書購入: 76人 クリック: 1,625回この商品を含むブログを見る 異様な密度の新書。企業が円高で悲鳴を上げる中、一面的な容認論も聞かれる。書は為替レートの根を解説、金位制から変動為替制への推移などの歴史をたどり、購買力平価やマンデル=フレミングなど為替の基礎理論を押さえ、近年の円高がなぜ有害かを堅実に説明。そして、理論的な理解をベースに、いまの円高の原因や、それが各種対応策でも改善されない理由が明快に説明され、根底にある今の日のデフレ経済という大問題へと議論が展開する。 理論、歴史、政策と、これほど盛りだくさんの内容を、手抜きなしで新書につめこめたのは驚き。各種メディアの評論家や学者たちによる変な円高容認議論のおかしさもわかるし

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  • 本郷『カブトムシとクワガタの最新科学』:メジャーでとっくに研究し尽くされてると思ったら!  - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    カブトムシとクワガタの最新科学 (メディアファクトリー新書) 作者: 郷儀人出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2012/06/29メディア: 新書購入: 9人 クリック: 210回この商品を含むブログ (12件) を見る 今更ネタがあるのかと思って半信半疑で読み始めたら、これがおもしろい。カブトムシとクワガタなんて小学生のあこがれだし、すでに研究し尽くされているかと思ったら、まだまだなんだって。 特に書の大きなテーマは、カブトとクワガタのケンカ! もう小学校時代の定番のネタだけれど、なかなか(テレビでは翌出るが)実際には目にできないもの。子供は、単にカブトやクワガタが弱ってるからだろうと思ってたんだけどさにあらず。遺伝的に、相手の体の大きさを見て勝ち目がない相手とは闘わないようになってるんだって。そして実際のケンカの場を見るのもむずかしいので、あまり研究されていない。

    本郷『カブトムシとクワガタの最新科学』:メジャーでとっくに研究し尽くされてると思ったら!  - 山形浩生の「経済のトリセツ」