バレエファンのための!コンテンポラリー・ダンス講座〈第5回〉群舞とユニゾン〜強すぎて危険な魅力、その光と影〜 前回は「舞台におけるセンター問題』を取り上げたが、今月はそれと対になる問題、すなわち群舞、そしてユニゾンについて語っていこう。 「同じ動きをする=ユニゾン」には強烈な魅力があり、人間は本能的にキモチイイと思ってしまう。 それはときにダンスが独裁政権やカルト宗教に利用される「黒い歴史」をも生み、以後のダンス作品にも影を落としてきた。 今回は群舞の意味と意義、そしてそもそも、なぜ我々はユニゾンをキモチイイと思ってしまうのか? その秘密にも迫っていきたい。 バレエを支える群舞の魅力 ●『セレナーデ』は空気に生命を与える 群舞の美しさは、バレエの醍醐味のひとつである。一糸乱れぬ精度が要求され、ダンサー達の背の高さまで完璧にそろえていたりする。 名作といわれる作品は、主役のみならず群舞も珠玉