ゼロトラストといえば、混沌(こんとん)としたサイバー空間における「救世主」ともいわれる存在であり、多くの企業が新たなセキュリティ対策として取り入れようとしている。しかしそこには、意外な穴があるのではないか――。自身もペネトレーションテスターとして活動し、セキュリティ教育にも携わるトライコーダ 代表取締役の上野宣氏の視点で語るセッションをレポートする。 そもそも、ペネトレーションテストはなぜ必要なのか? ファイアウォールを入れる、アンチウイルスを入れる、EDR(Endpoint Detection and Response)を導入する――。セキュリティ対策をしていない企業はもはやないだろう。では、そのセキュリティ対策は果たして“機能”しているのだろうか? 複数のセキュリティ機能を導入していた場合でも、それがどのように総合的に機能しているのかについて、全て把握している企業は少ないかもしれない。