ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された渦巻銀河「NGC 4258」。その横幅は3万光年であり、地球から2300万光年の距離に位置している。その中に含まれる星の新たな測定結果は、宇宙の膨張速度が予想よりも速いことを示唆している。(PHOTOGRAPH BY ROBERT GENDLER, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)から得られた新しいデータにより、宇宙がどの程度の速さで膨張しているかにまつわる謎が深まっている。今回の発見は、宇宙の膨張速度についての真相を解明するには、未知の物理学が必要となる可能性を示唆している。論文は査読前論文を投稿するサーバー「arXiv」で2023年7月28日に公開された。 約138億年前に誕生して以来、宇宙はあらゆる方向へ膨張を続けている。「ハッブル定数」と呼ばれる、現在の宇宙の膨張速