「障害者ヘイト」の書き込みに対して裁判を起こした兵藤一晶さん(左)。「人を傷つける書き込みはやめてほしい」=群馬県前橋市で2023年2月、上東麻子撮影 「障害者ヘイト」という言葉をご存じだろうか。ネット掲示板で「殺処分でいいやん」などと中傷された障害者が損害賠償を求めて前橋地裁に提訴したのは象徴的な出来事だった。確かに、ネット上には障害者を差別するヘイトの言葉があふれている。いったい、どうすればなくせるのか――。 <重度障害者は速やかに安楽死させる制度にしろ><施設に入れときゃいいじゃん><生産性のないやつは生きる価値なし>。兵藤一晶さん(47)は偶然、自分に向けられた膨大な書き込みをネット掲示板で見つけ、ぼうぜんとした。12日、書き込みをした2人を提訴したのがこの人である。 兵藤さんは群馬県出身。子どもの頃からマンガや絵を描くのが好きで油彩も学んだが、次第に手の関節の痛みを感じるようにな