前置き きちんと順番通りに読むのが大事です。 本書でヘーゲルは最初に自由に関する抽象的な原理論を行い、それに基づいて具体的な制度について論じています。全体の流れとしては以下のような感じです。 緒論 自由の原理論 抽象的な法権利 「人格」の相互承認が自由の基礎 自由は「所有」という形を取る 「道徳」Moralität 意志が普遍的な正しさ(自由)を求める段階 しかしこれは偽善とイロニー(主観性の絶対化)に行き着く 「倫理」Sittlichkeit 自由が制度として実質化する段階 具体的な制度として、家族、市民社会、国家がある なので、いきなり「家族 → 市民社会 → 国家」の図式から入っても、その意義を理解することはできません。順序的に。具体的なのでどうしてもそこから読んでしまいたくなりますが、それだけだと片手落ちです。というか半分落ち、いや3分の2落ちです。 では見ていきます。コンパクトと