コンドルセ陪審定理は、多数決の「正しい使い方」を教えてくれる。コンドルセは、ルソーの影響を強く受けてそれを着想。人民集会で「ある法案が一般意志に適うか否か」を多数決で判定。それがうまく出来るため(=陪審定理の前提条件が成立し、多数決がうまく機能するため)には ① 〔一般性〕そもそも、その法案の対象が、一般利益についてのものであること ② 〔独立性〕人々は十分な情報を持つ。討議はオッケーだが、他人の意見に流されてはいけない。各自は最終的には自分の頭でうんうん考えてイエス・ノーを判断すること ③ 〔コイントスよりは賢い〕1人の人間の理性的な判断は、コイントスよりは確度が高い が必要。①は問題の設定として必須。②は完全にではなくとも相当程度成り立つ必要がある。③は平均的にコイントスより賢ければよい。*1 こういう「多数決の正しい使い方」を規範として参照し、現実の多数決の使われ方のどこがまずいか指