天気輪(てんきりん)は『銀河鉄道の夜』に登場する表現であり、宮沢賢治による造語と考えられている。具体的に何を指すかについては諸説あり、その説を分類すると仏教由来の建造物、宗教的概念、天文現象に分けられる。 『銀河鉄道の夜』の五章は「天気輪の柱」の章題を持つが、内容としては六章「銀河ステーション」の冒頭につながる。 天気輪の柱は牧場のうしろの丘の頂にあり、ジョバンニはその柱の下にからだを投げ出して夜空や町灯りを見る。その天気輪の柱は、「いつかぼんやりした三角標の形になって、しばらく蛍(ほたる)のように、ぺかぺか消えたりともったり」した末に動かなくなり、そらの野原に立つ。それに続いて、どこからか「銀河ステーション」という声が聞こえてくる。 天気輪が仏教由来の建築物であることから、原子朗はこの表現は仏教由来の建造物(お天気柱、転法輪、車塔婆、後生車など)と関係があると述べ、柱の回転する輪は賢治の