平気で他人をだます人間を「ペテン師」と呼ぶ。ならば、それは、東京五輪誘致で世界をだました安倍晋三首相にこそふさわしい肩書きかもしれない。 安倍首相は先月17日、2020年東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場「新国立競技場」の計画を白紙撤回すると発表した。世界的建築家、ザハ・ハディド氏のデザイン設計によって2520億円に膨れあがった建設費に国民の批判が爆発し、その勢いに気圧された首相がやむなく現行プランを引っ込めたのだ。 しかし、この白紙撤回、本来は認められるものではないという。東京五輪組織委員会会長の森喜朗元首相は、「IOCのバッハ会長からお詫びをすることはまったくないと。変更は当然あるべきだと理解を得た」と胸を張っていたが、実際はそうではないらしい。 外電によると、8月1日に開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の総会は白紙撤回を容認したものの、東京五輪の準備状況を監督している