団地が映し出す未来 1 〜 “中流”は消え、社会からの孤立死が増える日本 2017年01月01日 19時42分 カテゴリ: 団地が映し出す未来 • 記事・コラム 常盤台団地 ■「老いの苦悩」を抱える団地 東京近郊の団地を取材してまわっている。 この年末は”限界集落化”が進む松戸市(千葉県)の常盤平団地を訪ねた。 約5千世帯が住む同団地は、住民の半数近くが65歳以上の高齢者だ。単身高齢者も約1千人。昨年(2016年)はそのうち10人が自室で亡くなった。孤独死問題は深刻だ。年末年始をひとりで過ごした高齢者も少なくない。 常盤平団地の入居が始まったのは1960年。大規模団地の先駆けである。 中沢卓実さん(82歳)は、第一期の入居者だ。56年間、この団地に住み続けている。 かつて、団地は希望のシンボルだった。明るい未来を暗示する、幸福の入り口だった。 水洗トイレ。ダイニングキッチン。浴室。ベランダ