アベノミクスの3本の矢、その最後の1本である「成長戦略」を成功させるには、何が必要か。人によって意見は様々だろうが、私は「安定的かつ安価な電力」を挙げたい。政権もそれを意識してか、4月2日「電力システムに関する改革方針」を閣議決定し、電気事業法の改正に乗り出そうとしている。 そもそも電力システム改革とは何か。何のために何をするのだろう。分かっているようで、実は分かっていないことが多い。競争を導入することで、今まで総括原価主義というぬるま湯に浸かっていたけしからん電力業界に活を入れ、電気料金を下げる。再生可能エネルギーの導入も活発になり、電力の「地産地消」も進む。スマートメーター(次世代電力量計)の導入など、未来社会にふさわしい電力システムへの変革を促し、新しい産業の雇用も生む。こう聞くとバラ色だが、きれいなバラには刺があり、おいしい話には落とし穴があるのが世の常だ。 この閣議決定のベースと