電話がかかってきた。「まさか!」と思った。でもタクシーに飛び乗った。病院に駆けつけた。病室のドアを開けた。いた!本当だった。見沢知廉、本人だった。 「やぁ、邦さん。迷惑かけてすみませんでした。足を折っちゃって」とのんびりした口調で見沢氏は言う。 「てっきり、死んだと思っていたよ。マンションの8階から飛び降りたんだろう」 「でも奇跡的に助かって…。窪塚洋介の場合と同じですよ」と言う。そうか。窪塚もマンションの8階から飛び降りたが、途中の木にぶつかったりして助かった。 「あの時は、夕陽がヤケにきれいだったんですよ。不思議にスピリチュアルな力が全身に漲ってきたんです。何でも出来る。今なら、空も飛べると思ったんです。この時を逃したら、もう出来ないと思ったんです」としみじみと述懐する。 しかし、それにしても、よく助かったもんだ。まてよ、新聞も、「見沢氏自殺!」と出ていたぞ。あれはどうなんだ。「夕刊フ