「更迭」という二文字は、日本のバスケットボール界において、あまりにも聞きなれない重い言葉だった。11月10日、JBLリンク栃木ブレックスの加藤三彦ヘッドコーチ(HC)が更迭される衝撃の事態が起こった。3勝7敗と負けが先行していたが、就任7カ月、わずか10試合終了時点での指揮官交代劇はJBLでは異例の出来事。 リンク栃木は今シーズンJBL2よりJBLに昇格したプロクラブチーム。高校界の超名門・能代工高から加藤氏をHCに招聘(しょうへい)し、さらには、加藤氏の能代工高時代の教え子であり、日本人初のNBAプレイヤーである田臥勇太をシーズン直前に入団させたことでも大きな話題を呼んでいた。更迭の理由について、11月12日の記者会見で山谷拓志ゼネラルマネジャー(GM)は、「成績不振ということではなく、チーム内のコミュニケーションが築けず、信頼関係が修復不可能になった」と発表した。加藤氏とのHC契約は