・水木しげるの遠野物語 2010年は柳田國男の遠野物語100周年。 妖怪が得意の水木しげるが漫画化した全119話。古典をわかりやすく漫画で、というのは、杉浦日向子の『百物語』と似たコンセプトといえる、かな。 オシラサマ、河童、山男、山女、など遠野物語の妖怪・怪異譚が、それぞれ数コマから数ページという短編で次々に語られます。わかりにくい言葉には注釈もついているし、文章で読むよりずっとイメージが膨らみます。原点は古くて難しいですからね。 なにより妖怪=水木しげるの画風が最初に思い浮かんでしまう、ゲゲゲの鬼太郎世代にとっては、水木さんが誰よりも適任者だと思いました。 各話は数コマから数ページと短いのですが、水木調のオドロオドロしさが濃密で、決してあっさりしていません。学習・情報系というより、ちゃんとした味わえる作品系です。水木さん自身が、物語に登場するご愛嬌シーンも何度もあります。 それにしても