発生から間もなく1年を迎える岩手・宮城内陸地震で全壊した宮城県栗原市栗駒地区の蔵から、地元にあったと伝わりながら詳細が不明だった仙台藩の「番所」(役人の詰め所)の周辺絵図など江戸時代の貴重な歴史的資料が見つかった。地元のNPOが、地震を機に全国で初めて取り組んでいる地域の旧家を対象とした全数調査の過程で確認した。災害で埋もれかけた歴史に光を当てる活動として注目を集めそうだ。 このNPOは「宮城歴史資料保全ネットワーク」(仙台市)。95年の阪神大震災などで、被災地の旧家取り壊しや修繕に伴って貴重な歴史的資料が廃棄されたり散逸する問題が指摘されたことから、被災地の旧家に伝わる古文書の保存に取り組もうと03年に設立された。 昨年6月14日に岩手・宮城内陸地震が発生した後、約500軒にのぼる旧家のリストを作成し調査を開始。これまで台帳や巻物、手紙など約3000点を撮影、記録した。 この中で、これま