管理敷地外から崩落した土砂が、高速道路の橋梁を押し流す――。2018年7月の西日本豪雨で、高知自動車道の立川(たぢかわ)橋が前代未聞の被害を受けてから、はや10カ月がたつ。現場では19年夏までの開通を目指して、着々と復旧工事が進んでいる。19年4月には新たな橋桁の架設を完了した。 (関連記事:崩壊土砂を回避できず橋桁流失、高知道) (関連記事:堆積した流木に土砂が押し寄せ谷底へ、高知道の橋桁流失) (関連記事:高知道を来夏までに復旧、橋の上部構造だけ造り直し) 左は被災直後の2018年7月7日に撮影した現場付近。3径間連続PRC(プレストレスト鉄筋コンクリート)桁が流された。右は19年4月6日時点。流失した立川橋の架設が完了して、斜面の崩落防止対策も並行して進む(写真:西日本高速道路会社)
「橋の方から金属同士がぶつかるようなカーンという音が15~20分おきに聞こえてくる」 2021年8月、牛深ハイヤ大橋(熊本県天草市)の北端付近にある天草市牛深支所の職員から、橋を管理する県にこんな通報があった。音が聞こえるというP6橋脚上を確認すると、ローラー支承の破損が判明。他の橋脚の支承でも、ローラーを挟む支圧板が砕けていたり、ローラー脇にあるピニオン(歯車)の取り付け軸が破断したりしていた。 北側から見た牛深ハイヤ大橋。最も手前に見えるのはP5橋脚。設計者はレンゾ・ピアノとピーター・ライス、岡部憲明、マエダ(写真:日経コンストラクション)
埼玉・千葉県境の江戸川に架かる新しい橋「三郷流山橋」の工事が進んでいます。既存の「流山橋」の猛烈な渋滞緩和につながることが期待されていますが、特筆すべきは工事の早さ。「え、もう開通?」の声も上がるほどです。 橋梁部はもう完成近い 埼玉県三郷市と千葉県流山市を隔てる江戸川に、新しい橋「三郷流山橋」が建設中です。2022年7月、三郷市側の現地では周辺道路が切り回され、新しい橋へのアプローチ部などが建設中。堤防に上がってみると、橋桁は対岸まで架設されており、完成が近いと思える光景でした。 拡大画像 建設中の三郷流山橋。2022年7月(乗りものニュース編集部撮影)。 この橋は、同じく流山と三郷の市街地を結ぶ下流の「流山橋」周辺で発生している渋滞を緩和するために計画されました。 江戸川に架かる無料の橋は、南の上葛飾橋(三郷市~松戸市)まで約6km、もしくは北の玉葉橋(吉川市~野田市)まで約9km離れ
橋台上に設ける横変位拘束構造の固定壁が、上部構造の横桁と干渉した。設計時に横桁の勾配まで考えが及ばず、固定壁の天端を水平にしたのが原因とみられる。当時はまだ3次元設計を導入しておらず、システム上で干渉チェックができなかった。 福島県喜多方市内の山間部を流れる一ノ戸川に架かる一ノ俣橋の工事現場で、横変位拘束構造の固定壁が上部構造の横桁と干渉する設計ミスが発覚した。 2021年7月、上部構造の施工を担当する矢田工業(福島県郡山市)の技術者が下部構造を含めて図面を照査して設計ミスに気づき、県の発注担当部署である喜多方建設事務所の監督員に報告した。 同橋は橋長43.8mの単純非合成鋼鈑桁橋だ。福島県が老朽化した旧橋を架け替えている。完成は22年度以降となる予定だ(写真1)。 新橋の詳細設計は、陸奥テックコンサルタント(福島県郡山市)が1408万円の契約金額で受託。17年3月に完了して成果物を県に納
日本橋上空の首都高速道路を地下へ移設し、青空を取り戻す事業の初弾工事がいよいよ始まった。まずは、既存の2カ所の出入り口を撤去する。首都高速道路会社は2021年6月30日、報道機関を対象に現場見学会を開催。その模様と共に、今後の工程をお伝えする。 日本橋川に沿って上空を通る首都高の都心環状線は、前回の東京五輪直前の1963年に開通した。以来50年以上が経過。1日当たり約10万台の自動車が走行するため構造物の損傷が著しく進む。首都高の地下への移設と既存高架橋の撤去によって、道路を次世代へつなぐことが急務になっている。 一方で日本橋川周辺は国家戦略特区の都市再生プロジェクトに位置づけられ、2020年に都市計画事業として認可された。道路敷地の上下空間に建物の建設を可能にする「立体道路制度」を活用して、建物の地下にトンネルを整備し、まちづくりと一体で地下化事業に取り組む。 日本橋区間の地下化事業の範
南阿蘇の観光活性化が期待されます! 24時間施行などで早期復旧 国土交通省 九州地方整備局 熊本復興事務所と熊本県は2021年2月2日(火)、国道325号の阿蘇大橋ルートが3月7日(日)の15時に開通すると発表しました。 熊本地震から復旧する阿蘇大橋(画像:国土交通省熊本復興事務所)。 阿蘇大橋は、2016年に発生した熊本地震で落橋。24時間施行や、足場と型枠を一体化したクライミング工法といった工期短縮を実現する技術の採用により、落橋した橋の近くで、新しい阿蘇大橋の建設が進められてきました。 これにより、熊本市内方面と南阿蘇方面のアクセスルートが回復。熊本IC~南阿蘇村役場間の所要時間が約60分(震災直後)から約33分に短縮され、南阿蘇地域の観光活性化が期待されます。 【了】
耐震補強の手抜き工事が判明しました。 拡大画像 鉄筋不足が見つかった緑橋の位置(画像:NEXCO中日本)。 NEXCO中日本は2020年11月4日(水)、中央道をまたぐ橋の耐震補強工事で、内部の鉄筋が不足する施工不良が判明したと発表しました。同社では今後、未設置鉄筋の再施工を行うとともに、工事受注者へその費用を損害賠償請求するとしています。 施工不良が見つかったのは、中央道をまたぐ緑橋(東京都日野市)で、下り線側の橋台に鉄筋8本の不足と、ひび割れ2か所を確認したということです。この橋は2018年度に耐震補強工事が実施された6橋のうちのひとつで、大島産業(福岡県宗像市)が工事を受注しています。 また、ほかの橋でも同様に鉄筋の不足が疑われることから、大島産業に対し追加の調査を指示したとのこと。新たに施工不良が確認された場合は、施工箇所の補修を速やかに行うとしています。 なお、今回の橋は中央道本
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く