路線バスの座席といえば、進行方向の前を向いて座るタイプが普通で、通勤電車のような横向きの座席・ロングシートを取り付けた車両はいま、ほとんど見かけない。それは何故なのだろうか? 文・写真(特記以外):中山修一 【画像ギャラリー】標準装備の時代もあった! バスのロングシート(5枚)画像ギャラリー 昔はロングが普通だった!? 今となっては信じがたい話に思えるが、なんと路線バスの座席はかつてロングシートのほうが当たり前だった。中・長距離向け車両が前向き、短距離向けの車両はロングと、用途に応じて棲み分けされていたわけだ。 戦前の外付けフェンダーの時代から路線車の内装はロングが主流。これは路面電車や通勤電車に倣い、短い距離を利用する分にはロングの方が便利と見られていたようだ。 実際、ロングシートには着席・離席がしやすいというメリットがある。さらに通路の床面積を広く取れるため、車内の移動と乗り降りがより