左が砂の一部をオガ粉のバイオ炭に置き換えたコンクリート、右が通常のコンクリート。黒い粒がバイオ炭だ。普通コンクリートと同等の強度を持つ(写真:日経アーキテクチュア) 「通常、有機物は大気中の二酸化炭素(CO2)に戻ってしまうが、炭化させれば戻らない。この状態でコンクリートに貯留すれば、実質的にCO2を削減したことになる」。同社技術研究所社会システム技術センターの山本伸也氏はこう説明する。 使用したのは製材時に出るオガ粉。炭素含有率は約9割で、他のバイオ炭に比べて多くの炭素を固定できるのが特徴だ。コンクリート1m3当たりオガ粉のバイオ炭60kgを添加することで、約160kgのCO2固定効果が得られる。 山本氏は、「施工性の高さが売りだ」と話す。ポンプ圧送に適応する流動性を持つため、現場打ちが可能。既に道路舗装で適用実績がある。 バイオ炭には木材由来の他にも、家畜ふん尿由来や製紙汚泥・下水汚泥