富士重工業(スバル)は5月12日、2016年3月期連結決算を発表した。それによると、連結販売台数が95万7900台と過去最高を記録。これで4期連続で過去最高の販売台数を更新し、まさしく絶好調といった感だが、吉永泰之社長にはそれを素直に喜べない事情があった。 「注文していただいたお客さまには本当に申し訳なく思っています。日本ではすべての車種で3か月お待ちいただいている状況なんです。3月末でいいますと、富士重工の国内ディーラー向けの在庫が97台しかなくなってしまったんです」 その状況は販売台数の65%を占める北米市場でも同様で、在庫が極端に少なくなっているそうだ。米国では通常、2か月、60日分の在庫を持つが、富士重工は20日、ものによっては10日分しかないのだ。「米国のディーラーに行くと、いつも怒られているんです」と吉永社長。 インセンティブにしても、平均約3000ドルのところ、富士重工は59